2005/5/19 掲載
 ファイナンシャル・プランナーの大内洋(おおうち ひろし)です。今回から社労士の西田洋之(にしだ ひろゆき)さんと、シリーズで、知っておくと役に立つ生活情報をご提供していこうと考えております。
 今回は西田社労士から、自己紹介を兼ねて、お話をお聞きします。

西田:
社労士の西田です。今回は高齢者の雇用延長義務に伴って、知っておきたい周辺情報をお話したいと思います

大内:
最近、企業などから「定年退職を 1、2年後に迎える従業員の方々を対象に、リタイアメント・プランの作り方を説明して欲しい」というご依頼が増えております。実際にセミナーや相談会を開いてみますと、大勢の方が定年退職後も様々な形で活動したいと考えておられることが分かりました。その中で一番多いご質問が、60歳から65歳の間をどのように就業するのがいいだろうかということでした。この期間は老齢厚生年金の受給方法や働いた場合の年金受給額の調整、さらには定年退職年齢の引き上げなど大変複雑ですが、その辺について、西田さんにいろいろお話いただきたいのですがいかがでしょうか。

西田:

社会保険労務士の西田です。
我々の業務も企業の労働・社会保険の手続き以外に、従業員さんの雇用管理などの問題についても最近では深くかかわるようになってきています。
401Kなど要は退職金制度の問題であり、定年をいつに設定するか企業はもちろん従業員にとっても重い課題となってきています。
そんな中で2004年6月5日、高年齢者雇用安定法の改正案が成立し、企業は65歳までの継続雇用が義務化されることになりました。
老齢厚生年金の支給開始年齢が段階的に65歳へと引き上げられているこの時期に、そのツケを企業経営者に押し付けたようにも感じられますが、制度内容は必ずしも65歳までの雇用が保証されたといえるものではありませんでした。
内容についての解説は次回以降にさせていただきますが、いかにしてこの制度を導入するか、また従業員それぞれの職場環境や働くことへの考え方で、雇用年齢は大きく変わっていくことでしょう。
大内さんからのご質問にもあるように、60歳から65歳までをどのように暮らしていくかという点についても、60歳台は多様な生き方・働き方が選択できる時期だと私は考えています。
社会保険労務士として現在の社会保障制度の仕組みをいろいろとご紹介することで、これらの方々の早め早めの準備にこのページが役に立つことができれば何よりです。

まず第1回目としては、昨年改正された年金制度のうちこの4月施行の「60歳台前半の在職老齢年金」についてお話をさせていただきます。
在職老齢年金とは、働きながら年金を受け取る場合に一定の割合で年金が減額される制度で、65歳までの受給者にはこれまでどんなに少額の年金でも一律に2割分の年金がカットされていました。
そこでこの4月より、老齢厚生年金の月額分と年収を月額分に直した合計が28万円を超えなければ全額年金を受け取ることができるようになりました。
これにより年金を受け取りながら働いていても、一定の程度までは収入を増やすことができるようになります。

在職老齢年金についてはこちらをご覧ください。

〜何かを得るのと引き換えに何かを失う〜・・のが日本の社会保障制度の原則です。
在職老齢年金制度も「働けるのなら年金は支給しませんよ」という考え方が徐々に変更されていった措置です。
日本の社会保障政策も、「最低あるいは一定程度までしか面倒をみられません。
後は各自で備えましょう!」という傾向が一層進むことでしょう。
ところが一方では働き方を変えるだけで収入に関係なく全額年金を受け取り、かつ保険料の支払いもない人が存在します。「厚生年金の適用除外者」といわれる人です。
フルタイム勤務者に比べ労働時間が減りますので、本人の健康管理面においてもプラスに働くことができるだけでなく、企業にとっても会社負担分の保険料がなくなるなど、今後の高齢者の雇用継続においても検討されることの一つになりそうです。

大内:
お話ありがとうございました。確かに、この60歳から65歳の期間の雇用と年金の受給の仕方につきましては、受給されるご本人だけではなく、雇用する企業にとっても、現在だけでなく今後も重要な期間となりますね。「働くことと自分の人生と充足させるという課題をどう解決するか」につきましては以降も引き続きご紹介していきたいと思います。
 

このシリーズは今後も継続いたします。次回号は「サラリーマンの方が家業を継ぐケース」についてご紹介する予定です。

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