2006/3/16 掲載
 前回号までは「中小企業会計導入と退職給付制度」についての全体像・概論を解説して参りました。今回号からは中小企業の経営に何故退職給付制度が影響してくるのか、詳細をご説明いたします。まだほとんど進んでいないといわれている「中小企業の税制適格年金の対処法」に少しでもご参考になれば幸いです。
 解説はグローバルハートが2005年9月に開催いたしましたセミナー「中小企業会計と退職給付引当金セミナー」の資料を使用し解説させていただきます。
T.中小企業会計の全体像と退職給付引当金 (1)中小企業会計
(1)中小企業会計
目的 1.経営状態の実態把握     → 内部管理
2.金融機関や株主への実情報告 → 資金調達
3.取引先との信頼関係構築   → 新規顧客開拓
対象 商法特例法上の小会社で株式の公開を当面目指していない会社
公開会社、商法特例法上の大会社の子会社は対象外
  【商法特例法】
商法(会社法)の株式会社についての特別法として1974年に制定された法律

※小会社 ・・・ 資本の額が1億円以下の株式会社で負債が200億円未満
  大会社 ・・・ 資本の額が5億円以上または負債が200億円以上
  みなし大会社 ・・・ 大会社の要件は満たさないが、資本の額が1億円を超えておりかつ大会社としての規制を受ける旨定款に定めた株式会社
項目
・金銭債権
・貸倒損失・貸倒引当金
・有価証券
・棚卸資産
・経過勘定等
・固定資産
・繰延資産
・金銭債務
・引当金
・退職給付債務・退職給付引当金
・税金費用・税金債務
・税効果会計
・資本・剰余金
・収益・費用の計上
・外貨建取引等
・計算書類の注記
・後発事象
・決算公告と貸借対照表及び損益
・計算書の雛形
貸借対照表
(B/S)
会社の期末における財政状態(資産・負債・資本の状態)を示す決算書。
概念

【貸借対照表の概念】
貸借対照表における財政状態とは、会社の資金の調達状況及び運用状況のこと。

負債(他人資本)は、会社の資金調達の源泉が、主として債権者によるもので、借入金・支払手形・買掛金等がある。
資本(自己資本)は、会社の資金調達の源泉が、株主の払込資本とその資本を使って稼いだ利益(内部留保)からなる。

項目 【貸借対照表の構成】
貸借対照表は資産・負債・資本から構成される。

様式例

【貸借対照表の様式例】


損益計算書
(P/L)
会社の一会計期間における経営成績を示す決算書。
経営成績を収益(稼ぎ)と費用(コスト)とを対比して、その差額として利益(儲け)を示す。
概念

【損益計算書の概念】

構成

【損益計算書の構成】
損益計算書は、収益及び費用をその性質によっていくつかに区分し、それぞれを対応させた上で5つの利益概念を示す。

様式例

【損益計算書の様式例】

B/SとP/L
の関係

【貸借対照表と損益計算書との関係】
貸借対照表では自己資本の大きさが健全性の目安となり、損益計算書では利益の大きさが経営成績の良否の目安となる。両者は相互に関連しており、経営活動により獲得した利益が内部留保として自己資本の充実につながり、それが資産に運用され経営活動に還元される。

 
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