2006/5/18 掲載
 今回号より新しく『知って得するシリーズ』の連載を開始致します。日本版401kや企業年金等に関する知っておいた方が良い情報をお届けして参ります。
 今回号では当メールマガジンの読者の方からのお問い合わせにもありました「日本版401kの税制メリットと運用利回り比較」についてお届け致します。
 
   日本版401kの資産運用に大きな「運用格差」が発生しています。これは日本版401kの基本を理解していないことが原因です。資産の運用を有価証券の短期売買であるかのように誤った認識をしているか、もしくは内容の理解不足が原因だと思われます。
 今後はインフレへの対策も考慮に入れる必要もあり、そうなれば益々「運用格差」は拡大し、その責任は企業へも影響してくることが予想されます。特に確定給付型から確定拠出型(日本版401k)へ移行した企業では「制度」や「資産運用」に対する加入者の理解不足が「運用格差」に影響する可能性があり、企業の責任問題に繋がる恐れがあります。そこで加入者の理解を深める為に、もう一度基本に振り返ることが大切です。
 今回シリーズ第1回では「日本版401k」の基本をおさらいし、「税制メリット」と「運用利回り比較」をお伝えいたします。
 まずは日本版401kの主な特徴をあげてみましょう。(※今回は企業型のみをご紹介します。)
 
 
「日本版401k(確定拠出年金)の概要」
 
仕組み 給付額は運用成果によって決定
運営主体 事業主
加入者 実施企業に勤務する従業員
掛金拠出 事業主拠出のみ(従業員は拠出不可能)
事業主が一括で資産管理機関へ納付
拠出限度額 〔日本版401k以外の企業年金制度がない場合〕
 従業員1人当たり年間55万2千円(月額4万6千円)
〔日本版401k以外の企業年金制度(厚生年金基金等)がある場合〕
 従業員1人当たり年間27万6千円(月額2万3千円)
資産運用等 加入者自身が運用を行う。
掛金と運用収益の合計額は個々の加入者ごとに記録管理
(資産額等の記録は年1回以上通知される。)
運用商品等 預貯金、公社債、投資信託、株式、信託、保険商品等
(運用選定・提示の際は3つ以上の商品を選択肢として提示が必要。)
ポータビリティ 離職、転職時に年金資産の移換が可能
〔退職し国民年金加入者となった場合〕個人型年金へ
〔転職した場合〕転職先企業の企業年金へ
給付 原則60歳到達時
(脱退一時金はケースにより受給要件が異なる。ここでは説明は省略。)
税制 拠出時 非課税(企業が拠出した拠出金額は全額損金参入)
運用時 特別法人税課税(平成19年度まで凍結)
給付時 年金需給→公的年金等控除(標準的な年金額までは非課税)
一時金受給→退職所得控除
注)あくまでも概要ですので内容等につきましてはグローバルハートまでお問合せ下さい。
 
   上記の表で日本版401k(確定拠出年金)の主な仕組みをお伝えしました。

 日本版401kには多数のメリットがあります。第1のメリットとしては加入者個人が運用決定者となれるので、運用次第では大きなリターンを得ることが可能となるということです。しかしこれは反対にデメリットでもありリスクを加入者自身が負う場合もあります。
 大きなデメリットとしては60歳になるまで途中引き出しが不可能ということが上げられます。
 そして今回のテーマ、第2の大きなメリットが税制メリットです。企業側にとっては拠出金額を全額損金参入できるというメリットがあります。
 それではこの税制メリットを平均的なモデルを例にあげ試算してみましょう。
 
 
「日本版401k 税制メリットと運用利回り比較(例)
 
  • 仮に企業の拠出原資を年間43万2千円とし、22歳から60歳まで運用した場合に日本版401kと、給与上乗せを市中で運用した場合とを比較します。
    (この例では給与上乗せ分の場合、所得税、住民税、社会保険料が発生する為、約27万1千円しか投入できません)
 
  日本版401k 給与上乗せ分を
市中運用した場合
元本(毎年投入) 43万2千円 平均約27万1千円
運用利回り 3% 3%
利息課税 非課税 20%
特別法人税( * 1.173% なし
最終受取額(一時金) 約2,300万円 約1,600万円
* 平成 19 年度まで凍結
 
  あくまでもこの例においてですが、最終受取額の差は大きな金額となりました。上記をご覧いただくと日本版401kの税制メリットがお分かり頂けたかと思います。

このシリーズでは今後も企業年金や日本版401k関連の知っておきたい情報をお伝えしてまいります。
 
 
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