2006/6/15 掲載
前回号では「退職金制度 企業年金と一時金制度」と「退職金規程」をお伝えし「退職金制度の全体像」を解説致しました。
今回は「退職給付債務の計算方法」についてお伝えしてまいります。
解説は前回号に引き続きグローバルハートが2005年9月に開催いたしました「中小企業会計と退職給付引当金セミナー」の資料を使用し解説させていただきます。
退職金制度 退職給付債務の計算
【小規模企業における退職給付債務の計算(簡便法)】
1.退職一時金の部分
小規模企業・・・従業員300人未満
@自己都合要支給額×比較指数

本会計基準の適用初年度の期首に、原則法による退職給付債務と自己都合要支給額との比(比較指数)を求め、それを乗じる
→原則法に近似

A自己都合要支給額×係数

平均的残存勤務期間分の昇給率及び割引率の各係数を乗じる
昇給率の係数・・・過去の平均給与の進展率
割引率の係数・・・国債の利回り等

B自己都合要支給額
2.企業年金の部分
<年金受給権者以外>
@なし
A自己都合要支給額×係数
B自己都合要支給額
退職一時金の部分と同じ方法
C責任準備金×比較指数

会計基準の適用初年度の期首に、原則法による退職給付債務と責任準備金との比(比較指数)を求め、それを乗じる。
→原則法に近似

D責任準備金
責任準備金とは…年金制度を健全に維持するために、確保すべき積立金(年金資産)
<年金受給権者>
責任準備金(=年金受給権者に対応する年金資産)
3.まとめ
  退職一時金 企業年金
在籍者・加入者 @自己都合要支給額×比較指数
A自己都合要支給額×係数
B自己都合要支給額
@なし
A自己都合要支給額×係数
B自己都合要支給額
  C責任準備金×比較指数
D責任準備金
受給者   責任準備金
(考慮すべきこと)
・退職金の一部を年金に移行している場合、採用する方式に整合性をとること。
・採用する方式は、継続性を持たせること。
・簡便法⇒原則法は可能だが、逆は原則として不可。
<参 考>
■原則法による退職給付債務の計算

退職給付債務は、合理的に見込まれる退職給付の変動要因を考慮して見積もられた退職給付見込額のうち、現時点までに発生していると認められる額を一定の割引率及び残存勤務期間に基づいて計算する。

 
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