2006/7/20 掲載
このシリーズ「ドキュメント企業年金−日本版401k」では企業年金にまつわる課題を検討し、企業と加入者の方のためのより良い制度の運営に貢献できますよう様々な角度から情報を提供させて頂いております。
前回は「企業の果たす役割−加入者向け運用アドバイスの方法〔Part.3〕 」として、グローバルハートで行っている「投資教育講座」のカリキュラムの内容をお伝えし投資教育の目的から関係法令、必要とされる投資教育の内容を解説致しました。
第3回は引き続き「企業の果たす役割−加入者向け運用アドバイスの方法〔Part.3〕」として、グローバルハートで行っている「投資教育講座」から、加入者向けアドバイスの方法の詳細をお伝えしていきます。
 
  投資教育で大切なのは変化に対応し自分の判断で運用していくことを自ら認識してもらうことです。そして自分の判断を下す為には正しい金融・投資の基礎知識が大切です。
金融商品の基礎を学び、リターンとリスクを理解することが投資教育の第一歩です。
 
 
投資教育の内容 4.金融商品の基礎知識
 
1.金融商品の考え方
金融商品には下記のポイントに注意する必要があります。
個別金融商品を見るための6つの指標
  @ 基本的要素 「安全性」「収益性」「流動性」
  A 流動性−換金しやすさ
  B 一部解約性−ペナルティに注意
  C 収益性−投下した元本に対する期間当りの収益性をはかる
  D 収益の確定性とリスクとリターン
   
  • 確定的な収益が見込める→リスクは少ないがリターンも少ない
  • 収益が不確定       →リスクが多いがリターンも多い
  E インカムゲインかキャピタルゲインか
    インカムゲイン :有価証券の配当や利息によって得られた収益
             →保有し続けることによって得られる収入
キャピタルゲイン:有価証券を売却することによって得られた収益
             →手放すことにより発生する譲渡益
中途解約時の収益変動性
元本の安全性
資産運用の自己責任原則
金融商品のもつリスクについて
  @ インフレリスク−インフレ率に注意を払う
  A 信用リスク−金融機関の格付けに注意
  B 価格変動リスク−流通マーケットにおける値動きに注意
  C 金利変動リスク
  D 為替リスク
  E 流動性リスク
  (※日本版401kは基本的に途中解約が不可だが、一般金融商品においても注意が必要)
 
2.金融商品の分類方法
金融商品には大まかにわけて2つの分類方法があります。
収益の源泉で分類する方法
   
  • インカムゲイン 「ローリスク・ローリターン」・・・預貯金、貸付信託、公社債投信等
  • キャピタルゲイン「ハイリスク・ハイリターン」・・・不動産、商品先物
  • インカムゲイン+キャピタルゲイン「トータルリターン」・・・債券・株式
マーケットとの関連で分類する方法
  株価、長期金利、短期金利、為替相場、商品市況の相場動向により分類
 
投資教育の内容 5.投資信託の基礎知識
 
  確定拠出年金の運用商品としては低金利や経済情勢の悪化等から運用利回り達成の為にはある程度のリスクを取らざるを得ない状況も想定されます。その場合、目的達成の手段として投資信託や債券の組入れは考慮に入れる必要があります。
今回は投資信託についてご説明いたします
 
 
1.投資信託とは
  投資信託を選ぶ場合、株式や債券の組入れられている割合等、運用対象や投資手法の違いにより様々な商品があります。株式と債券の将来性をどのように考えるかで現実の運用商品の選別とタイミングが変わってきます。  
 
投資信託とは?
  多数の投資家から集めた資金を資産運用の専門家が市場で効率的な分散投資で運用し、その結果の収益を投資家に分配する仕組みの金融商品。
 
2.投資信託の仕組み説明
投資信託の仕組み−それぞれの専門機関が役割を分担している。
  受益者 ・・・ 購入者である投資家
  販売会社 ・・・ 証券会社・銀行・保険・郵政公社等。販売会社を通じて購入や換金、支払等が行われる。
  委託者 ・・・ 投資信託委託会社。受益証券を発行し、運用の指図を行う。
  受託者 ・・・ 信託銀行。申込金を信託財産として保管・管理する。
 

 
3.投資信託の種類
組み入れ方による分類
 
  • 公社債投資信託
    国債や社債等を中心に運用、株式は組み入れない。もちろん元本保証ではないが比較的安全性が高い投資信託といえる。
  • 株式投資信託
    一定限度内で株式を組み入れた投資信託。投資対象や組み入れ制限等から様々な種類がある。収益性を重視した運用を行う。
  • その他
    外国投資信託(ファンド国籍が日本国外)、私募投信、公募投信、不動産投資信託や株式指数連動型上場投資信託(ETF)等、様々な投資信託がある。
運用期間等による
 
  • 追加型(オープン型)
    購入や換金が随時可能、運用期間が定められていない(もしくは10年以上等の長期)投資信託。MMFや公社債投信も追加型である。様々な商品があり、原則として自由な購入・換金が可能(時価に基づき)なためタイミングを計った運用が可能。
  • 単位型(ユニット型)
    購入期間は募集期間だけ、運用期間があらかじめ決まっているものが単位型投資信託。
    資金の途中追加はできない。
    単位型の分類では毎月同内容の商品を募集する「定時定型」、時勢に応じて随時募集される「スポット型」がある。
 
4.投資信託のメリット・デメリット
メリット
 
  • 小口の資金で分散投資を行いながら大きなスケールの投資が可能
  • 専門家の運用スキルを利用できる
  • 多様な選択肢
    (安全性重視の商品からハイリスク・ハイリターンな商品まで様々な選択が可能
  • 分散投資によって比較的リスク軽減が可能
デメリット
 
  • 元本が保証されない
    −市場動向によって変動する株式や債券などを組み入れた商品で運用するため元本は保証されないが、リスクを出来るだけ抑えた商品から、ハイリスクで積極的に収益を追求する商品まで様々な商品があるため目的に応じた選択が可能。また、資産は分別管理され、投信委託会社、信託銀行、販売会社が破綻しても受益権は確保される。
  • コストの発生
    −販売手数料(発生するものとしないものがある)※販売手数料には消費税がかかる
    −信託報酬
    投資信託の運用・管理に係る費用。投資信託会社、受託会社(信託銀行)、販売会社に対して信託財産の中から支払われる。
    −信託財産留保額
    途中換金時にかかるコスト。投資家間の公平性を保つ為、解約する投資家が負担。
    −税金
    期中分配金、途中換金、償還時に発生する利益に対して税金がかかる。税率は投資信託の種類、国内外の商品かどうかによっても異なる。
 
5.投資信託の選び方のポイント
  1. ライフプランに合わせた投資金額、商品を選定する。
  2. リスクの許容度を確定して商品を選定する。
  3. 情報収集をする
  • 目論見書−法律で義務付けられ投資信託ごとに作成される商品説明書の様なもの。取扱い投資信託会社や受託する信託銀行等についての記載もあるため、確認が必要である。
  • 運用報告書−投資信託の過去の運用や実績、今後の運用方針等が記載されている。商品ごとに決算期に投資信託会社が作成し販売会社より交付される。
  • インターネットや新聞等−投資信託会社、販売会社のホームページなどからも情報収集が可能。また社団法人投資信託協会のホームページでも検索サービスを行っている。
 
  投資信託を選択する際には自分でしっかりと情報を収集し調べることが大切です。投資信託には期間や組み入れ方等の違う様々な商品があります。プロが運用しているといっても絶対ではなく、元本が保証されているわけではないので十分納得をした上で購入することが重要です。
ネームバリューやイメージだけで選び、あとで後悔の無い様、運用報告書や目論見書をきちんとチェックし、長期運用を心がけましょう。
 
 
 

*今回掲載の資料はグローバルハートで行っている投資教育講座資料をもとに作成しております。資料につきましてのご質問は下記までお願い致します。


  株式会社グローバルハート  gheart@fine.ocn.ne.jp
 
 
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