2007/1/18 掲載
このシリーズ「ドキュメント企業年金−日本版401k」では企業年金にまつわる課題を検討し、企業と加入者の方のためのより良い制度の運営に貢献できますよう様々な角度から情報を提供させて頂いております。
前回は「企業の果たす役割−加入者向け運用アドバイスの方法〔Part.4〕」として、グローバルハートで行っている「投資教育講座」から、加入者向けアドバイスの方法の詳細「金融商品の基礎知識〜債券」をお伝えしました。
今回は「金融商品の基礎知識〜株式」について3回シリーズでお送りいたします。
 
投資教育で大切なのは変化に対応し自分の判断で運用していくことを自ら認識してもらうこと です。そして自分の判断を下す為には正しい金融・投資の基礎知識が大切です。
金融商品の基礎を学び、リターンとリスクを理解することが投資教育の第一歩です。
 
投資教育の内容 7.株式の基礎知識(1)
 
1.株式とは<株式市場と株式の仕組み>
【株式市場の2つの機能】
  ・発行市場 ・流通市場
 
【証券会社で取引できる株式】
  ・上場株(JASDAQ上場株を含む) ・外国株
 等があり、それぞれ取引の仕組みなどが違います。
 
【株式市場の役割】
   株式会社は事業資金を集めるために、株式を発行します。
 さらに事業が順調に拡大したり、積極的に先行投資する際には、必要資金量も大きくなります。その場合、新株式を発行して多くの投資家から、長期にわたる安定資金を調達することが必要となります。
 また、投資家が投資資金を回収するため手持ちの株式を売却したり、反対に売却される株式を購入、資金の有効運用をめざす場合もあります。そのため、株式売買の場(流通市場)が必要です。株式市場は株式発行・流通という2機能を果たすことで、多くの企業や投資家に資金を循環し、活発な経済活動を支えています。
 
【直接金融】
   企業が株式・債券を発行し一般から直接資金調達を行うこと。
 投資家から見れば、投資対象のリスクを直接負うことになります。その反面、高い収益を期待することもできます。最近では、直接金融は間接金融より比重が高まっています。
 
【間接金融】
   企業が金融機関から融資等の形で資金調達すること。
 資金は預金などの形で金融機関が集め、金融機関が融資先・投資先を決定します。
したがって、投資リスクは基本的に金融機関が負うことになります。
 
 
【投資対象となる株式】
上場株
   証券取引所に上場されている株式のこと。
 証券取引所は東京、大阪など全国5ヶ所にあります。
 上場株式を売買するには、証券会社を通じて、証券取引所の市場に売買注文を出します。企業は株式上場にあたり、証券取引所で発行済み株式数・株主数・純資産・利益・配当などについて、上場基準を満たしているかどうか審査されます。
 
外国株
   東京証券取引所には、外国企業の株式を売買する外国部があります。ここに上場されている外国株は、証券会社を通じて売買することができ、名義書換手続きや配当金の受取りも国内の代行機関でできます。
 
【株主の権利】
  株主には、
 (1)株主総会での議決権、取締役・監査役の解任請求権、帳簿閲覧権など経営に参加する権利
 (2)配当金などの利益分配を受け取る権利
 (3)会社の解散などに際して、会社資産を分配して受け取る権利
 (4)新株を引き受ける権利
などがあります。
 
2.株式投資の魅力とリスクへの対応
 株式投資には値上がり益以外に、いろいろな魅力があります。
 リスクを理解し、余裕を持って投資することが大切です。
 
【株式市場の魅力】
値上がり益(キャピタル・ゲイン)
   株式投資の最大の魅力は、購入した株式の値上がりによる売買益が期待できることです。成長性があるはずなのに株価が意外と低い銘柄、実力を評価されず低位にある銘柄などを、自分で地道に調べながら発見していくことが大切です。
 
配当
   原則として年2回の決算(本決算と中間決算)で、会社が得た利益を株主に還元するために行います。
 配当は預貯金の利息とは違って、業績によって増減したり、配当しない「無配」という可能性もあります。低金利時代には預貯金金利を超える配当もあり、値上がり益だけではなく「配当」にも注目するとよいでしょう。
 
株主優待
   安定株主作りや利益還元策として、採用する企業が広がっています。自社製品だけではなく、ユニークな商品やサービスを提供する企業もあり、上手に活用すれば、値上がり益と合わせて楽しめます。
 
【リスクについて】
 株式投資には、会社倒産リスクと値下がりリスクがあります。株式投資の基本はリスクを上手く回避することです。
 
時間分散
   一度に資金を投入しないで、株価の動向を見ながら何度かに分散させる(時間分散)ことで、リスクを分散させる手法があります。

<ナンピン買い>
 購入株式が値下がりした場合、低い金額で同じ株式を買い増しし、平均購入価格を下げていく買い方を「ナンピン買い」といいます。
 
銘柄分散
   株価が下落した場合の影響を少なく抑えるには、複数の銘柄をバランスよく組み合わせる分散投資が有効です。この場合、異なる業種に複数分散したり、性格の異なる銘柄に分散させることで、一方的な値下がりに備えることができます。
 
3.株価は何で動くか
 国内の経済・政治要因だけではなく、海外の政治・経済の動きが影響することもあります。
 株価は時として大きく変動します。そんな時にこそ、各種の要因を見極めて、冷静な判断をすることが大切です。
 
【株価の変動要因】
 
【株式市場の先見性】
 株価は実体経済の動きを先取りすると言われます。経済情勢や業績に対しての予測が投資家を動かし、それが株価に反映されるからです。株価を下げるような材料でも、それが正式発表された時には「材料織り込み済み」として株価が動かなかったり、「悪材料出尽くし」として株価は逆に上昇に転じたりもします。一見、株価が変動要因に原則通りの反応をしていないように見えるのは、株価は常に将来予測と思惑で動くためです。
 
【外部要因】
 株価の上下には、さまざまな要因が複合的に影響し合っています。本来は、収益力や資産内容など企業の投資価値と株価は一致すべきと思われますが、現実の株式市場ではそうはいかないものです。ある会社が話題を呼んで買い手が殺到すれば、会社の実態以上に株価が上がります。しかし、中長期的には、多くの投資家が多様な視点で市場に参加することにより、本来あるべき株価へと落ち着いていくことが多いようです。
 
企業業績
   個別企業の業績の良し悪しを観察することは、株式投資の基本です。景気全体が悪化しても、好業績の企業の株価は相対的に安定しています。
 最近は、同一業種でも好業績企業とそうでない企業の二極化が進み、投資家による厳しい選別が行われています。
 
金利
   各種の金利のなかで、日銀が景気動向を調整するために決定する「公定歩合」が最も有名です。しかし、金融市場での実際の資金需要により変動する「市場金利」は、よりストレートに現実の景気実態を反映します。
 金利は、国債の流通利回りに代表される「長期金利」とCDレートやコールレートのような「短期金利」に分かれます。
 
為替
   一般に円安は輸出企業にメリットがあり、円高は電力・ガスなど原材料を輸入している企業にメリットをもたらします。ただし、いずれにしても急速な為替の変動は、株式市場のみならず経済全般に及ぼす影響が大きく、各国政府が市場介入によって変動を抑えようとすることも多くみられます。
 
景気
   株式市場全体は景気と密接に関連しています。好景気は企業活動を活性化させ、企業収益も増益となり、その影響が株式市場に波及、それがまた企業活動へ反映されるという好循環をもたらします。逆に不況になると悪循環となり、脱出するきっかけを模索するようになります。
 なお、景気の変動に行き過ぎが起きそうな場合、政府を中心にさまざまな景気対策がとられることもあります。景気の実態を把握するとともに、景気対策の動向にも注意する必要があります。
 
海外市場
   株式投資は国境と時間を超えて動いています。一国の株式市場の変化は直ちに他国の市場に波及、ニュースなどでも大きく報道されます。ただ、急激市場の動きは、その原因をよく調べるとともに、冷静な判断と行動が大切です。
 
【市場内部要因】
 株式の需給関係に直接影響する要因を、市場内部要因といいます。内部要因には機関投資家、外国人投資家などの投資家の動向の他、信用取引による売買動向、裁定取引に伴う現物売買、また新株発行による供給増などもあげられます。これらはいずれも相場に少なからず影響をもたらします。「売り」「買い」のどちらか一方が大量に出れば、株価は大きく動き、相場全体がつられて影響を受ける場合もあります。
 
今回は「金融商品の基礎知識〜株式No1」ということで株式投資の基礎をお伝えいたしました。次号でも「株式の基礎知識(2)」を引き続きお伝えいたします。
 
 

*今回掲載の資料はグローバルハートで行っている投資教育講座資料をもとに作成しております。資料につきましてのご質問は下記までお願い致します。
当資料はあくまでも参考資料となりますので、お取り扱いにご注意ください。実際の債券投資の際には各取り扱い機関等にお問い合わせください。


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