2007/5/17 掲載
このシリーズ「ドキュメント企業年金−日本版401k」では企業年金にまつわる課題を検討し、企業と加入者の方のためのより良い制度の運営に貢献できますよう様々な角度から情報を提供させて頂いております。
前号から「企業の果たす役割−加入者向け運用アドバイスの方法」として、グローバルハートで行っている「投資教育講座」から、加入者向けアドバイスの方法の詳細「金融商品の基礎知識〜株式」を3回シリーズでお伝えしております。
今回は「金融商品の基礎知識〜株式」第3回をお送りいたします。
 
投資教育で大切なのは変化に対応し自分の判断で運用していくことを自ら認識してもらうことです。そして自分の判断を下す為には正しい金融・投資の基礎知識が大切です。
金融商品の基礎を学び、リターンとリスクを理解することが投資教育の第一歩です。
 
投資教育の内容 7.株式の基礎知識(3)
 
1.投資指標のいろいろ
【投資指標の見方・2つのポイント】
経営状態や資産価値を測る指標をもとに投資判断を行う。
ひとつの指標にこだわらず、いくつかの指標を参考にいろいろな視点から銘柄を選択していくことが大切。
 
 
株主資本を、企業がきちんと活用して利益を上げているかどうかを示す指標です。
ROEが高い水準で推移していれば、その企業の将来の収益性や成長性も有望ですし、株主への利益還元も期待できます。最近ではROEを高めることを、経営目標として打ち出す 積極的な企業も増えています。
 
 
収益力について同業他社と比較する場合、過去からの収益力の変化を見るときに利用する指標です。
 
年間の配当総額をその期の税引き後利益で割ったもので、上昇するほど配当の余力は小さくなります。日本では配当を利益に関わらず基本的に変えない企業が多いため、配当性向は好況期には低く、不況期には高くなる傾向があります。ただ、近年は海外の投資家からの要請もあり、配当性向の引き上げを経営目標のひとつに掲げる企業も増えています。
 
【キャッシュ・フロー】
企業の総収入から外部へ支払った金額を差し引いて手元に残った資金(現金)のこと。実際には、当期利益と減価償却費の合計から配当金と役員賞与を差し引いて計算する。
キャッシュ・フローが大きければ外部資金に依存する度合いが小さくなるため、企業財務の健全性を測る重要な指標として利用され、最近は、資本効率の改善など、キャッシュ・フロー重視の経営に取り組む企業も増えている。
 
規模の大きい企業ほど売上高、経常利益、当期利益は大きくなるのが通常で、そうした数字を他の会社と比較しても、本当の収益力は比較できません。そこで比べる基準を同じ1株当たりの利益にしてみると、その株式の収益価値がわかりますし、同業他社等との比較も可能になります。
 
1株当たりの配当が、株価の何%に相当するかを見る指標です。高度成長期以降、投資家の多くは株式の値上がり益を追求する姿勢をとってきました。しかし、必ずしも右肩上がりが期待できない現在、銘柄によっては預貯金を上回るものもあり、投資尺度としての配当利回りが再認識されています。
 
株価が1株当たり(当期)利益の何倍になっているかを示す指標です。一般にPERが高いと利益に比べて株価が割高、低ければ割安であるといわれます。但し、何倍が妥当という水準を示すものではありませんので、投資先企業の過去のPERの動向、同業他社などと比較する、相対的な投資尺度として活用するとよいでしょう。
 
株主株価と1株当たりの株主資本(純資産)の比率を示す指標で、企業が解散したとすると、残る価値(資産)は1株当たりどれくらいかを知ることができます。PBRが1倍に近づくほど株価は割安であることを示していますが、1倍以下になると株価が解散価値をも下回ることになります。
 
【格付け】
もともとは企業が発行する社債などの安全性を見る指標だったが、最近では企業の信用度と同様に受け取られ、格付けの引上げ・引下げが株価にも影響を及ぼすこともある。一般には「AAA(トリプルA)」は安全性が極めて高いとされ、下に行くにしたがって安全性が低くなる。
 
2.株価チャート
【株価チャートのポイント】
チャートとは株式の動きをグラフにしたもので一般的には始値・高値・安値・終値を表すローソク足のグラフが使われている。
 
株価の動きをグラフ化することで、過去の相場のパターンや傾向を分析します。チャートの1本ずつの形がローソクに似ていることから、ローソク足と呼ばれています。ローソク足の作り方は次のようになっています。
 
ローソク足のそれぞれは、その日(週・月・年)の値動きを示していますが、通常、ロウソク足1本ずつではなく、過去長期間のチャートで株価の大きな動きを見るために用います。株価上昇時は陽線が多く、下落時は陰線が多くなっています。
 
【テクニカル分析】
  株価チャートを利用して、株価の動きから相場を判断する方法。
 
【ファンダメンタルズ分析】
  テクニカル分析に対し、企業の業績などから相場を判断する方法。
 
ローソク足で表示する株価を1日単位でとったチャートを「日足(ひあし)」、一週間単位でとったものを「週足(しゅうあし)」、月単位でとったものを「月足(つきあし)」、年単位でとったものを「年足(ねんあし)」といいます。
 
【市場の状況】
  個別の銘柄の値動きだけでなく、株式市場全体の大きな流れとの関係で判断することが大切。
 
【出来高】
  一般に出来高が膨らむと市場は活況を呈すことが多く、市場の動向のバロメーターともなっている。
 
【売買代金】
  株価の高い値がさ株が買われているか、それとも低位株が買われているか、売買代金をみるとだいたいの傾向がわかる。出来高が膨らんでいる割に売買代金が伸びていない時は低位株中心の売買となっている。また売買代金や出来高は、相場が転換点にあるかどうかを検討する場合にも役立つ。
 
日々線(株価)が上昇に転じた時、まず短期線が上向きに転じます。そして下から上に中・長期線を急速に抜いてきます。これをゴールデンクロスと呼び、買いのタイミングとされています。一方、短期線が上から下に急速に中・長期線を抜いて下回ってくるものをデットクロスと呼び、株価が安くなることが予測されます。
 
いろいろな移動平均線の組み合わせ
 
今回は「金融商品の基礎知識〜株式」第3回ということで株式投資の基礎をお伝えいたしました。次号では「企業の果たす役割−加入者向け運用アドバイスの方法〔Part.8〕」として「実際に導入する際の現場対応での注意」や「投資教育の注意点」をお伝えいたします。
 
 

*今回掲載の資料はグローバルハートで行っている投資教育講座資料をもとに作成しております。資料につきましてのご質問は下記までお願い致します。


 株式会社グローバルハート  gheart@fine.ocn.ne.jp
 
 
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